皮脂が多いと肌がベタついたり、テカリが気になったり、メイクも崩れやすくなるので、鏡が手放せなくなってしまいますよね。
皮脂は要らないものだと思われがちですが、すこやかな肌を保つためには欠かせないものです。
しかし、皮脂が過剰に分泌されすぎると肌荒れなどの原因やベタつき、テカリなどにつながりやすくなります。
今回は皮脂の役割や皮脂を抑えるためのお手入れ方法などをご紹介します。
1.皮脂について
まずは皮脂の役割について正しく理解していきましょう。
1-1.皮脂とは
皮脂とは毛穴にある皮脂腺から分泌される脂です。
皮脂が分泌される皮脂腺は毛が生えているところにあり、身体の中では頭・顔・胸・背中・手足の順で多く存在しています。
顔の毛穴は身体の毛穴と比べると皮脂を分泌する働きが強く、皮脂腺が発達しているので毛穴が目立ちやすいです。
また、毛穴の開きは遺伝的な影響があり、男性ホルモンが多いと皮脂腺の出口も大きくなるので毛穴が目立ちやすくなります。
生まれつきの毛穴の大小に関しては、スキンケアなどでお手入れすることはできません。
1-2.皮脂の役割
皮脂は汗とともに皮脂膜として肌の乾燥を防ぎ、角質層の柔軟性などを保っています。
一般的に皮脂の分泌量は全身で1日平均1~2g程度ですが、女性よりも男性のほうが分泌量は多いと言われています。
年代や季節、環境などによっても変化し、女性は10代から20代までを、男性は30代から40代をピークに皮脂分泌が活発となり、その後は加齢と共に減少していきます。
皮脂の分泌が少なくなると肌が乾燥してカサついたり、柔軟性が失われてハリが感じられなくなったりするなどの原因となりうります。
このように皮脂は要らないものと考えている方も多いかもしれませんが、適量の皮脂はすこやかな肌を保つために大切な要素のひとつです。
2.皮脂が過剰分泌される原因って?
前述で皮脂は肌にとって欠かせないものだと説明しましたが、皮脂は過剰に分泌されると肌荒れの原因となることがあります。
皮脂が過剰に分泌される主な原因は3つ考えられます。
2-1.乾燥
肌は乾燥すると油分が足りないと勘違いをする場合があります。
すると肌内部にある水分の蒸発を防ぐために皮脂膜を補おうとして、皮脂が過剰に分泌されてしまいます。
スキンケアの際に保湿を怠っていたり、肌をゴシゴシとこすったり、パチパチと叩いて刺激を与えたりしていると乾燥を促す可能性があります。
2-2.ストレス
ストレスによって交感神経が優位になると、男性ホルモンの生成が促されます。
男性ホルモンには皮脂を過剰に分泌させる作用があると言われているので、ストレスを感じると皮脂が分泌されやすくなる場合があります。
2-3.生理
女性の場合、生理前に女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの分泌が増えると共に皮脂の分泌が増えます。
黄体ホルモンには男性ホルモンと同様に皮脂の分泌を促す作用があると言われています。
そのため、生理前にはニキビやシミなどができやすくなり、普段よりも肌が敏感になりやすいです。
生理前は新しい化粧品を試すなどの積極的なお手入れはできるだけ控えて、洗顔で肌を清潔に保ち、油分の少ない化粧品でシンプルなお手入れをすることをおすすめします。
3.皮脂の過剰分泌を防ぐためには?
過剰な皮脂の分泌を防ぐためには、日ごろのスキンケアや生活習慣などが大切です。
4つのポイントをご紹介するので参考にしてみてください。
3-1.正しい洗顔
正しい洗顔によって、余分な皮脂など汚れを洗い落とし、肌を清潔に保つことが大切です。
間違った洗顔は肌に負担をかけて、皮脂の分泌をさらに過剰にしてしまう原因にもなりかねないので、一度洗顔方法が間違っていないか見直してみましょう。
①洗顔前に手を洗う
手を洗わずに洗顔をすると、手についている雑菌が顔についたり、洗顔料がうまく泡立ちにくくなってしまいます。
洗顔前にはハンドソープや石鹸できちんと手を洗い、清潔な状態にしましょう。
②しっかりと洗顔料を泡立てる
洗顔料を泡立てずに肌にのせると、なじませる際に泡がクッションの役割を果たせず、汚れを落とそうとして肌をこすってしまいがちです。
洗顔料は適量を出して水を含ませ、しっかりと泡立ててから肌になじませるようにしましょう。
洗顔料を泡立てるのが苦手という方は洗顔料の泡立て方法のポイントをこちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
>>「【保存版】濃密洗顔泡立て方法を極めて理想のすっぴん潤ツヤ肌に!」
③肌をゴシゴシと強くこすらない
洗顔料を肌になじませるときやタオルで水気をとるときなどにゴシゴシと強くこすると肌に負担がかかり、乾燥や肌荒れなどの原因となる場合があります。
角質層は0.02mm程の厚さしかなく、デリケートです。
肌に触れるときには決してこすったり叩いたりしないようにやさしく触れるよう意識しましょう。
④ぬるま湯でしっかりとすすぐ
熱いお湯で洗顔料をすすぐと肌に必要な水分や油分なども一緒に洗い流してしまう可能性があり、乾燥の原因となりうります。
また、冷水ですすぐと肌が引き締まったような感覚がありますが、一時的に肌が冷えているだけで、急激に肌を冷やすと赤ら顔や乾燥の原因となる場合もあります。
毛穴から余分な皮脂が浮き出すお湯の温度は大体30~32度程度のぬるま湯だと言われています。
触ったときにぬるいなと感じる程度を目安に温度調整をし、肌をこすらずに30回程度しっかりとすすぎましょう。
<miarii編集部おすすめの洗顔料>
■肌ナチュール 炭酸洗顔フォーム
>>肌ナチュール炭酸洗顔フォーム公式HPはこちら
肌ナチュールはモコモコの濃厚炭酸泡が出てくるので、肌を包みこむように洗うことができ、使い心地がいいです。
泡がクッションの役割を果たしてくれるので肌になじませるときに摩擦を軽減できます。
また、炭酸がタンパク質などの汚れに吸着して浮かせて落とすので古い角質や余分な皮脂などをスッキリと洗い流すことができます。
さらにそれだけでなく、炭酸が肌をやわらげてくれるので、古い角質によってゴワゴワとした肌にハリやツヤを与え、化粧水や美容液が角質層まで浸透しやすくなります。
吸着型ヒアルロン酸やナノコラーゲンなどの保湿成分もたっぷりと配合されており、洗顔後もツッパリを感じることなく、なめらかでしっとりとした潤いが続きます。
過剰に分泌された余分な皮脂などの汚れをしっかりと落としながらも、肌に負担をかけずに洗えて、簡単に毎日続けやすいのでぜひ皮脂をスッキリと落としたい方におすすめしたい洗顔料です。
3-2.保湿
肌のベタつきが気になるからといって保湿を怠っていると、更に皮脂が過剰分泌されてしまう可能性があります。
肌は乾燥すると少なくなった水分を守るために皮脂を過剰に分泌する場合があり、これをインナードライと呼びます。
インナードライの場合、本当は乾燥しているにも関わらず、肌表面はベタつくので脂性肌だと勘違いし、保湿を怠っているとさらに乾燥して皮脂が分泌されるという悪循環になりやすいです。
きちんとスキンケアをおこなっているのになかなか肌の調子が安定しない場合には水分が足りていない可能性があります。
そのため、化粧水や美容液で水分を与えてしっかりと保湿をすることが大切です。
保湿をする際には肌にもともと存在する成分であると肌なじみが良いとされており、とくに「セラミド」という保湿成分が配合された化粧品がおすすめです。
セラミドは水溶性ではなく油溶性の成分であり、化粧水よりも美容液に多く配合しやすいのでしっかりと保湿をしたい場合には美容液で水分を補うと良いでしょう。
セラミドのなかでも「セラミド+数字」もしくは「セラミド+アルファベット」で表示されているものが、「ヒト型セラミド」と呼ばれ、私たちの皮膚に存在するセラミドに近いと言われています。
保湿美容液などを選ぶ際に迷ったときには全成分表示を見てセラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などの肌なじみが良い保湿成分が配合されているかを基準に確認するのも良いでしょう。
3-3.こまめに皮脂をとる
皮脂はすこやかな肌を保つうえで欠かせないものですが、長時間放置していると肌表面で酸化して肌への刺激となる可能性があります。
皮脂が酸化すると、ニキビやシミ、くすみなどの原因となりかねません。
そのため、テカリやベタつきなどが気になる場合にはあぶらとり紙やティッシュなどで、やさしく抑えてこまめに皮脂をとるようにしましょう。
3-4.生活習慣
皮脂の過剰な分泌を抑えるためにはスキンケアだけでなく、食事や睡眠などの生活習慣を見直すことも重要です。
バランスの良い食事や質の良い睡眠、ストレス発散方法などのポイントについて紹介するので、ご自身の生活習慣を振り返る参考にしてみてください。
■食事
皮脂の分泌を抑えると言われている栄養素についてご紹介します。
<ビタミンB1・B2>
皮脂の分泌を抑えると言われているビタミンB1・B2の栄養素をバランスよく摂取することをおすすめします。
ビタミンB1は炭水化物の消化を助ける栄養素です。
炭水化物がきちんと代謝されないと皮脂が過剰分泌されると言われており、ビタミンB1を積極的に摂取することで皮脂の過剰分泌の予防を期待できます。
豚肉や大豆、昆布やうなぎなどに多く含まれているので、ぜひ意識して食べるようにしてみてください。
ビタミンB2は皮脂の分泌のコントロールをしてくれると言われており、レバーや海苔、うなぎ、とうがらし、納豆などに含まれています。
ビタミンB1・B2は共に「水溶性ビタミン」という水に溶けやすい性質なのでスープなどの調理法だと効率よく栄養素を摂取できておすすめです。
食材を洗う際には長時間水につけるのは控え、煮物などにする場合には汁まで食べるようにすると良いでしょう。
■質の良い睡眠
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、キメの整った潤い肌を目指すうえで欠かせず、睡眠直後の約3時間が最も活発に分泌されます。
よく肌のゴールデンタイムは午後10時から午前2時だと言われていますが、あくまで目安です。
この時間帯に睡眠をとるということよりも、眠り始めた最初の「約3時間」に熟睡できるかどうかが大切です。
質の良い睡眠をとるためのポイントを紹介します。
■セロトニンを増やす
快眠には「メラトニン」という睡眠を促す物質が欠かせないのですが、このメラトニンを増やすために必要なのが「セロトニン」です。
セロトニンは日中分泌される物質で、心のバランスを整える作用があると言われています。
セロトニンは太陽光に当たったり、大豆製品やバナナ、ナッツ類などの食事、リズミカルな運動などによって分泌を促すことができます。
睡眠の質をよくするためにも、セロトニンを増やすように意識しましょう。
■睡眠の3時間前には食事を済ませる
食事をとってすぐに眠っても、熟睡はできません。
質の良い睡眠をとるためには最初の3時間に熟睡していることが大切なので、眠りにつく3時間前には食事を済ませるようにしましょう。
■午後8時以降はノンカフェインの飲み物を飲む
寝る前にのどが渇いた場合は、ノンカフェインの飲み物やホットミルク、眠気を誘うカモミールなどのハーブティーがおすすめです。
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは脳を覚醒させる作用があると言われています。
午後8時以降はカフェインを含む飲み物は控え、ノンカフェインの飲み物などを飲むようにしましょう。
■ぬるめのお風呂に入浴する
ぬるめのお風呂に入浴することでリラックスし、眠りにつきやすくなります。
大体38~40度くらいが適温と言われています。
いったん上がった体温が下がると眠気を誘いやすいので、就寝1時間前までには入浴を済ませておくのが理想です。
逆に42度以上の熱いお風呂に浸かると目が覚めてしまい、なかなか眠りにつきにくくなってしまいます。
どうしても熱いお風呂に浸かりたい場合には就寝2~3時間前に入浴すると、就寝ごろには体温が下がってきて眠りやすくなるでしょう。
■就寝1時間前には携帯電話やテレビをオフにする
就寝1時間前には携帯電話やテレビの電源をオフにしましょう。
携帯電話やテレビの液晶画面に使用されるLEDの光が目を刺激して脳を活性化させてしまい、リラックスして寝付けない可能性があります。
また、画面の光が眠りを促すメラトニンの分泌を減少させると言われており、睡眠の質を下げてしまいます。
そのため携帯電話やテレビは、就寝1時間前にはオフにすることをおすすめします。
■照明を消す
照明がついたままだと眠りを促すメラトニンという物質の分泌を妨げる可能性があります。
メラトニンは目に入る光の量が減ると分泌量が増えるので、できるだけ照明を消すようにしましょう。
できれば睡眠の1時間前から照明を徐々に暗くしておくと眠りにつきやすくなります。
3-5.ストレス解消方法
ストレスを感じることによって自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスに影響を与える場合があります。
ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌を促す男性ホルモンが増えてしまい、ニキビや毛穴詰まりなどの原因のひとつになります。
すこやかな肌を保つためにも、ストレス解消法を見つけることが大切です。
■定期的な運動
定期的な運動は、満足感や達成感などを得られ、ストレス解消につながります。
寝る前に軽いストレッチなどを取り入れるのもおすすめです。
ただし、呼吸が乱れるほどの激しい運動を寝る前におこなうと、睡眠の妨げになる場合があるので気をつけましょう。
■涙を流す
私たちは心が動かされたときに泣くとストレスを発散できます。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
自律神経は活動的なときには交感神経が優位になり、リラックスするときには副交感神経が優位になることでバランスをとっています。
しかし、ストレスを感じていると、交感神経が優位に働き続けてしまい、リラックスができなくなります。
ところが、人は泣くことで交感神経が自然と副交感神経に入れ替わり、緊張状態からリラックス状態になれて、ストレスを解消できます。
泣き方にもいろいろありますが、「感動して泣く」ということが一番ストレス発散につながり、1度泣くと1週間ほどストレスが軽減できると言われています。
■カルシウムをとる
カルシウムには神経の緊張を和らげて、イライラなどを抑えることを期待できます。
牛乳などの乳製品や小魚など、カルシウムが多く含まれている食材をとるように
意識してみましょう。
4.皮脂が過剰分泌されるとどうなる?
皮脂が過剰に分泌されると、さまざまな肌悩みを引き起こす可能性があります。
4-1.毛穴の黒ずみ
過剰に分泌された皮脂が古い角質やメイクの汚れなどと混ざって毛穴に詰まると角栓となります。
この角栓が空気に触れて酸化すると黒ずんでみえるようになり、毛穴が目立つちやすくなりがちです。
4-2.ニキビ
毛穴に過剰に分泌された皮脂が詰まって毛穴の出口部分を塞いでしまい、皮脂が溜まって「白ニキビ」と呼ばれる白くプクッと小さく膨らんだニキビができます。
「白ニキビ」は放っておくと溜まった皮脂をエサにアクネ菌が増えて「赤ニキビ」と呼ばれる状態となる場合もあります。
4-3.赤ら顔
過剰に分泌された皮脂が肌への刺激となり、赤ら顔になる可能性があります。
毛穴自体が赤く見えて赤ら顔となっている場合には過剰な皮脂分泌が原因であることが多いです。
4-4.シミやくすみ
皮脂が過剰分泌されると「皮脂ヤケ」と呼ばれるシミやくすみなどの原因となる場合があります。
皮脂は4種類の成分で構成されています
この中の1種である「遊離脂肪酸」の割合が増えるとメラノサイトを刺激してシミやくすみの原因となるメラニン色素の生成を促す可能性があります。
5.皮脂が気になる際のメイクポイント
皮脂が気になるときのメイクポイントについてご紹介するので、ベタつきやテカリなどにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
5-1.オイルコントロール用の化粧下地を選ぶ
皮脂吸収ポリマーや皮脂吸着ポリマーなどが配合されたオイルコントロール用の化粧下地がおすすめです。
オイルコントロール用の下地には、分泌された皮脂を吸着する皮脂吸収パウダーや皮脂吸着ポリマーが配合されているものが多く、余分な皮脂が肌表面に浮き上がってくるのを防いでくれます。
さらりとした質感の肌を長持ちさせてくれるので、ベタつきやテカリが気になるときに使用すると良いでしょう。
5-2.油分の少ないファンデーションを選ぶ
ベースメイクは油分の少ないパウダータイプのファンデーションかルースパウダーにするのがおすすめです。
ベタつきが気になるときには、油分の多いクリームやリキッドタイプのファンデーションの使用は控えたほうが良いでしょう。
化粧水や保湿美容液で保湿して肌を整え、10分ほど時間を置いてからパウダーファンデーションを塗ると粉浮きしづらいしっとりとした肌に仕上げやすいです。
6.まとめ
皮脂はすこやかな肌を保つうえで、欠かせないものです。
しかし、皮脂が過剰に分泌されると、さまざまな肌悩みをもたらす原因となる可能性があります。
正しいスキンケア方法やバランスのとれた生活習慣などをきちんとおこなうことが皮脂の分泌を適度なものに抑えるためには大切です。
肌悩みの少ないキメ細やかな潤い肌を目指すためにも、一度お手入れ方法を見直してみましょう!